国家公務員総合職の第一次試験発表が先日された。
国家公務員試験は平成24年度実施分より、新採用試験として変更され、今回が始めての実施となる。
とは言うものの、主な変更は2点しか存在しない。
一つは、試験の名称変更。国家Ⅰ種が総合職へ、国家Ⅱ種が一般職へと名称が変更された。ちなみに、法科大学院卒業者向けや大学院向け、秋試験の実施など変わった(追加された)ものもあるが、名称の変更を単に行っただけというのが大半の見方である。
もう一つは、国家公務員の採用試験が時代の要請にこたえたともいうべきもので、「人物重視」になったことである。
人物重視というのは、具体的には面接試験の評価ウエイトが上がったということである。今までは、筆記試験で高得点を取ることで、面接試験は無難に逃げ切るというのが典型的な国家公務員試験の受験戦略とされてきた。しかし、それもこれからは通用しないだろう。
こういった人物評価は、公務員試験のみならず、司法試験などとも一部関連している。司法改革の骨子は、受験テクニック偏重の旧司法試験を改めるということであった。
今回の国家公務員試験改正も、筆記試験偏りのテクニック重視の傾向に、より公務員として相応しい人物像を見極めるということが加わったものといえるだろう。