コンサルタントにはさまざまな能力が求められるのは当然だろう。
その中で、やはり専門性というのは絶対不可欠であるといえる。これは、「自分が何ができるのか」ということを示すための、いわゆるコアなものであり、専門性がなければコンサルタントとはいえないといっても過言ではない。
一方、専門性だけが強ければ(専門分野が絞られていれば)良いのかというとそうではない。そのヒントは、コンサルタントは人間との付き合いそのものが仕事になってくるからである。
従って、専門性以外にもさまざまな能力がコンサルタントには求められるわけであるが、その中でも最も重要なスキルとして「コミュニケーション能力」が挙げられる。
現実的な話をすれば、コミュニケーションが上手ければ、大した専門性がなくてもコンサルタントとしてはやっていくことができる。なぜならば、コンサルタントは、経営者と向き合って業務を進めていくものであり、経営者と上手く付き合っていくことが大前提。
経営者は一癖も二癖もある人が多いので、コンサルタント側が経営者に合わせたコミュニケーションを取らなければならない。コミュニケーションというのは、究極的には相手を気持ちの良い気分にさせること。そのため、優れたコミュニケーション力を発揮することができれば、多少の専門性がなくても、クライアントたる経営者は十分な満足をしてくれるのだ。
その意味で、コミュニケーション力の中でも、コンサルタントに強く求められるのは「聞く力」であるといえるだろう。
聞くというのは簡単そうで極めて難しい。
やはりコンサルタントというのは自分の「知識」を販売する職業でもある。だからこそ、いろいろと自分が知識を提供しなければいけないと思い込んでいる節がある。しかし、一時期流行したコーチングと同様に、クライアントは答えを自分の中に持っているという前提を持つことも時には必要だ。
そういった観点で最近ビジネスマンの間で急速に普及しているのが、「NLP」である。NLPとは神経言語プログラミングといい、要するにコミュニケーションの達人が持つノウハウを体系化したもの。詳細は⇒NLPとは?
コンサルタントにもNLPは是非とも学んで欲しいスキルとなっている。なぜならば、コンサルタントにとって、コーチングスキルも大切になるから。コーチングの大前提となるスキルがコミュニケーションスキルであるとすれば、NLPを学ぶ意義は大きい。
NLPは勉強していくと分かるが、無意識レベルでのクライアントとのやり取りを具体的に学ぶことができる。コンサルタントには信頼を築くことも大切になるのであるから、クライアントの無意識レベルに対する働きかけ方は非常に参考になる。
コンサルタントに必要な能力は、何も専門性だけではないということをあらためて理解しておく必要があるだろう。